「開発の基本」は、経(たて)糸12本と緯(よこ)糸12本による織組織を駆使したテキスタイル創りです。
またテキスタイルを「1枚の布」「2枚以上の多層の布」「1枚で多層の布」の三原形状ともいうべき分類によって、織物形状を明確化してきました。経12本・緯12本による織組織の組合せは約281兆の3乗通りの理論数値となりますが、これらの組合せを基に三原形状の物理的可能性を追求し、様々なテキスタイルを開発してきました。

1枚の布

平滑なものから表面効果を持ったテキスタイルまで様々あります。
光沢感・ザラツキ感、楊柳・サッカーなどの凹凸効果、小さなものから大胆なものまでの透けや穴あき、伸縮効果組織の応用による後加工とは一線を画した山折り・谷折りの織りプリーツなどが挙げられます。

凹凸効果

糸の縮みや張力差を利用して、生地に凹凸効果を出したものです。

空羽プリーツ

空羽を利用して生地に山折り・谷折りを作り、プリーツ状にしたものです。

筒織プリーツ

空羽プリーツの技法と二重織の技法を組み合わせ、筒状のプリーツにしたものです。

2枚以上の多層の布

織組織を利用し、織だけで最終製品化させる成型織技術と、スカートや帽子等製品への応用技術開発は、裁断屑を出さず縫製の必要もなく、生産工程の省力化・省資源化、製品のフリーサイズ化等を可能にしました。

成型織スカート

無縫製で身体にフィットし着用出来るスカートを、二重織の技術を応用して織り上げました。

成型織帽子

一見ニット帽のように見えますが、立体成型織の帽子です。

1枚で多層の布

織組織の利用では、緯2重織や緯3重織を使った絣糸の表現による横段柄や、経多重織による多色格子柄などを表現しました。

緯2重・3重織

よこ糸の上に別のよこ糸が重なるように織り、色の違いや立体感を表現したものです。

経2重織

表裏に出るたて糸を分け、層状になるように織り上げたものです。

さらなる応用技術

ジョインチェック

多重織組織の技術と原料特性を活用して創り上げた、知恵の輪風の嵌め込み織テキスタイル。

シャンブレーカラー

5184色の先染め糸を1枚の布に織り込んだ、世界に例を見ないシャンブレーカラーウィーブマジック。

リプレコイル

コイル状の柄を基本とする、アレンジワインダーを使用して糸を繋いだ織物。